目薬は、開発時に安定性を調べる試験を行っており、その試験結果に基づいて保管温度が決められています。そして、その温度の定義は日本薬局方というもので定められています。
室温 = 1〜30℃ (安定していてほとんど分解されない薬) 常温 = 15〜25℃(目薬にはありません) 冷所 = 15℃以下 冷暗所 = 15℃以下 かつ 直射日光の当たらない場所 温度指定 = 薬によって保管温度が決められているもの (例:緑内障点眼薬「キサラタン」は2〜8℃)
目薬は凍ると変質するので、原則として凍結させることは厳禁です。冷蔵庫でも、冷気の吹き出し口に目薬を置いておくと凍ってしまうことがあるので注意が必要です。
冷所保存が望ましいのは、不安定で分解されやすい成分が含まれているからです。しかし、高温でも変質して有害になるわけではありません。そのため、旅行などで数日持ち歩く程度であれば問題ありませんし、成分が薄まる可能性はありますが、点しても害はなく、室温でもなるべく点しましょう。
室温保存は1〜30℃が適しており、冷蔵庫は5℃くらいのため、問題ありません。むしろ、低温保存のほうが細菌の繁殖が抑えられやすく、目薬の成分も分解されにくいため、室温保存の目薬も開封したものは冷蔵庫で保管することをオススメします。
遮光が望ましい目薬の場合、光が当たると化学反応を起こしてしまうため、きちんと遮光袋に入れた上で、直射日光の当たらない日陰で保管しておくことをオススメします。なお、蛍光灯の光は太陽光よりはエネルギーが強くなく、そこまで過敏になる必要はありません。
開封して空気に触れると、細菌が繁殖しやすくなります。そのため開封後は余っていても1ヶ月程度で捨てて、新しい目薬を使うことが推奨されています。なお、封を開けていない場合は、それぞれの保管方法を守った上で、点眼瓶に記載されている期限まで使用することができます。