“視覚”は外界から得られる情報の80%を占めると言われており、人生100年時代の今、生涯を通してより質の高い生活を送る上で、欠かすことのできないものです。私は、一人でも多くの方の「見える喜びを叶える手助けをしたい」という強い思いから、眼科医になりました。
そして、研究という観点から世界中の患者さんの役に立つ仕事もしたいと考え、大学院へ進学。「糖尿病網膜症におけるフラボノイドの神経保護効果」を米国で行われた国際学会で発表し、博士号を取得しました。
その後は、地域の基幹病院の医長としての経験、そして日本眼科学会認定専門医としての知識をもとに、お子さんの弱視や結膜炎から、ご高齢の方の白内障や緑内障まで、幅広い疾患の診療に携わってきました。2017年に旭川医科大学へ戻ってからは、糖尿病網膜症や加齢黄斑変性、網膜剥離といった網膜硝子体疾患を担当し、難症例の白内障も含めて、全道各地からご紹介いただく患者さんの診療にあたってきました。
そうした中で、まだまだ医療過疎が根強く残る地域医療の問題を目の当たりにし、特に道北方面はその影響を受けているように感じました。なぜなら旭川以北で硝子体手術を行っている医院は一つもなかったのです。また、士別は常勤医(かかりつけ医)すらおらず、高齢になると発症しやすい白内障に対する手術を受けるために、多くの患者さんが旭川や名寄へ通わなければならず、非常に不便を感じていらっしゃることを痛感しました。
そこで私は、士別というこの地で、【治療を地域で完結させる患者さん第一のホームドクター】という理念のもと地域医療に貢献したい、という気持ちを強く持つようになりました。大学病院で得た専門性の高い技術、大学病院と同程度の医療機器、眼科専門医としての幅広い知識と経験をもとに、皆さんに寄り添ったやさしい医療を、末永く提供していく所存です。どんなささいな症状や悩みでも、気軽にご相談にいらしてください。
しべつ眼科院長 下内 昭人