結膜(白目の表面にある粘膜)の血管が、何らかの原因によって切れて出血した状態のことをいいます。白目の部分が真っ赤になりますが、その程度は様々で、一部分が狭い範囲で赤くなる場合から、白目全体が赤くなることもあります。出血量が多い場合には、血腫(血の塊)となり、前方に盛り上がることでまぶたが閉じづらくなることや、血がにじんで出てくることもあります。
※ 出血と充血の違い
出血は血管が切れて血液が出ることをいいます。一方、充血とは血管が拡張した状態のことをいいます。どちらも赤くなりますが、出血の場合は、べたっとした赤みで、出血によって血管は隠れて見えなくなります。それに対し、充血では血管がはっきりと確認されます。
1結膜弛緩症
年齢とともに肌にシワができるのと同様、白目の皮がたるみ、シワができてくることを結膜弛緩といいます。アコーディオンカーテンのように何層にもできたシワは、まばたきだけでも擦れてしまうため、それが原因で血管が切れてしまうことがあります。ドライアイも伴う場合、より摩擦が強くなり、出血しやすくなります。
2外傷
目をぶつけたり、こすったりすることで白目の血管が切れることがあります。特に、目をぶつけて起こった場合には、目の中に病気が起こる場合があるため、眼科での精密検査が必要です。
3炎症
ウイルス性結膜炎の一つに、「急性出血性結膜炎」という、強い結膜下出血を伴う結膜炎があります。主に、エンテロウイルス70型とコクサッキーウイルスA24型が原因です。人にうつる可能性のある結膜炎の一つです。出血以外に、充血や痛み、めやになどを伴う場合はこれである可能性があります。
4全身性のもの
身体のいたるところに出血を起こしやすくする病気に伴って、結膜下出血が出現することがあります。例えば、血友病や血小板減少性紫斑病、白血病などの血液疾患、コントロールされていない高血圧、透析中の方などです。また、脳梗塞や心筋梗塞後などでは、血栓ができないように抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)などが処方される場合があり、結膜下出血を起こす場合があります。
5その他
他に原因が不明であることも多く、くしゃみや咳、いきみ、嘔吐など、ちょっとしたことがきっかけで発症することがあります。
出血の程度は様々で、白目全体が真っ赤になることも少なくありません。ショッキングな見た目であり、とても不安になると思いますが、基本的には様子を見て大丈夫です。 出血は1週間〜10日前後で自然に吸収されて完治することがほとんどです。また、治療薬も特にありません。 しかしながら、
1目をぶつけてしまった場合
2頻繁に出血を繰り返す場合
3出血以外に、充血、めやに、強い痛み を伴う場合