手術は基本的に目だけの麻酔(局所麻酔)で行います。麻酔は目薬によって行いますが、場合によっては白目の部分に麻酔を追加することもあります。手術中、意識はありますし、何かあれば喋っていただくことも可能です。手術中の見え方ですが、麻酔をしても基本的には視覚は保たれます。ただし、顕微鏡のまぶしい光を受けた状態であり、手術中の操作は眼球の中で行います。また、ピントを合わせるための水晶体が手術中に変化していきます。そのため、実際に手術に用いる器械などがはっきり見えることはありません。
一方、局所麻酔ではなく、全身麻酔が望ましい方もいらっしゃいます。例えば、極度の閉所恐怖症の方です。手術の際には清潔な布を顔にかけて行う必要がありますが、それも耐えられない方は全身麻酔のほうが望ましいです。また、手術は顕微鏡を用いた繊細な手術のため、一定の静止姿勢を維持できない方も全身麻酔が望ましい場合があります。全身麻酔の場合、身体への負担もかかりますので、そのリスクも踏まえた上での相談になります。
できるだけ手術に対する恐怖心を減らすために、術前・術中・術後についてわかりやすく説明するよう心がけ、手術中も十分に鎮痛効果を効かせるようにした上で、できるだけ声掛けをしながら進めていきます。