注射治療について

注射薬の種類

眼に直接注射する薬剤は主に2種類あります。

1ステロイド薬(トリアムシノロン)

合成副腎皮質ホルモン薬で、炎症を抑える働きがあり、黄斑浮腫の軽減やぶどう膜炎などの沈静化を図ります。眼に直接効かせるため、全身への副作用を回避することができます。

<投与方法>

(1)テノン嚢下注射

目薬で麻酔後、まぶたと眼球表面を十分に消毒し、白目の皮(結膜・テノン嚢)の下に先端の尖っていない針で薬を注入します。

(2)硝子体注射

目薬で麻酔後、まぶたと眼球表面を十分に消毒し、極細の針を用いて、眼球内に直接薬を注入します。白内障手術後の方のみ受けることができる治療法です。

<主な副作用や危険性>

  • 白内障の進行:視機能に影響する場合は手術が必要となります。
  • 眼圧上昇や緑内障:点眼薬や内服薬、まれに手術が必要です。
  • 感染症:約3000件に1件程度の頻度で発生します。重度の場合、抗生剤の投与や手術が必要になります。それらの治療にも関わらず、高度の視力障害や失明に至ることがあります。
  • その他:網膜裂孔(網膜剥離)、硝子体出血、水晶体損傷など

2抗血管内皮増殖因子(VEGF)抗体

糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症、加齢黄斑変性症など、血管内皮増殖因子(VEGF)が強く関与している病気に対し、このVEGFを阻害する働きがあります。

<投与方法>

・硝子体注射

目薬で麻酔後、まぶたと眼球表面を十分に消毒し、極細の針を用いて、眼球内に直接薬を注入します。

投与方法

<主な副作用や危険性>

  • 感染症:約3000件に1件程度の頻度で発生します。重度の場合、抗生剤の投与や手術が必要になります。それらの治療にも関わらず、高度の視力障害や失明に至ることがあります。
  • 眼圧上昇、網膜裂孔(網膜剥離)、硝子体出血、水晶体損傷など
  • 脳卒中、心筋梗塞:頻度は極めてまれですが、注射のあとに全身の血管障害が起こった事例が海外で報告されています。

硝子体注射の流れ

硝子体注射の流れ

費用

※ 薬の種類によって金額は変わります。
※ 上記は片眼に対する薬の金額です。

高額療養費が適用される場合があります。

高額療養費が適用される場合があります。 特に抗VEGF薬は高価なため、高額療養費の適用に達する場合があります。 当院では両眼の注射が必要な場合などは同月内に投与できるように日程を調整することで、できるかぎり自己負担額を軽減できるよう相談に応じております。
後に自己負担分の限度額を超えた分が還付される制度で、事前に加入されている健康保険へ申請されますと、還付を待つことなく窓口での負担が限度額までとなる限度額認定証が発行されます。
事前に申請される方は限度額認定証が出来次第窓口へご提示ください。

各注射薬・投与方法の比較

注射治療

※ これははあくまで院長のこれまでの経験を元にした意見であり、
全ての方に当てはまるものではありません。
各注射薬の効き方は同じ病気の方でも異なります。

当院では

即日注射が可能です

治療が必要な場合、時間が経てばそれだけ後遺症も残りやすく、視力の回復もしづらくなります。そのため、当院では極力その日のうちに治療ができるように体制を整えており、ご希望に合わせて対応致します。
(※注射前後は経過観察が必要です)

オーダーメイド治療を心がけています

最も効果のある薬がその人にとって最も適しているとは限りません。患者さんの経済状況や通院がしやすいかどうかなども考慮する必要があるからです。当院では、病気に対する様々な治療法を提示した上で、治療法や投与間隔などを一人一人と相談し、「その方にとって、無理なく最大限の効果を得られる、適切な治療法を二人三脚で行っています。