VDT症候群

テクノ依存症の症状

  • 自分の限界が分からなくなる
  • 時間の感覚がなくなる
  • 邪魔されるのが我慢できなくなる
  • あいまいさを受け入れられなくなる
  • オン・オフ式の対話しか出来なくなる
  • 人と接することを嫌うようになる
  • 人を見下すようになる

VDT症候群とは?

パソコンやスマートフォン、タブレット端末など、ディスプレイによって画像や動画などを映し出す端末をVDT(Visual Display Terminals)と呼びます。
このVDTを使用した作業(VDT作業:例えばパソコンでのデータ処理など)を長時間続けることで起こる様々な症状のことを、「VDT症候群」といいます。また、スマートフォンでの動画閲覧なども含めて、「テクノストレス眼症・IT眼症」とも呼ばれています。
近年、インターネットの発達とともに、パソコンやスマートフォン、タブレットなどは、私達の日常生活にとって切っても切り離せないものになってきています。
そしてさらに、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、在宅勤務や家に引きこもることが多くなり、VDT作業が長時間化する傾向にあります。そのため、「VDT症候群」は代表的な現代病の一つとなっており、非常に問題となっています。

VDT症候群とは?

VDT症候群の症状は?

主な症状

目の症状 ・・・ 目の疲れ、痛み、かすみ目、充血、乾き焦点が合わない、視力低下など
全身の症状 ・・・ 首や肩のこり、倦怠感、背中の痛み、腕や指のしびれ、頭痛、食欲不振など
心の症状 ・・・ イライラする、不眠、抑うつ症状、無気力状態など

 

表

原因

1.過剰な近見反応の反復

◎ 近見反応とは ・・・
    近くを見るときに起こる以下の3つの反応のことで、脳で制御 されています。

① 調節 ・・・ ピント合わせ
② 輻輳(より目)・・・視線合わせ
③ 縮瞳・・・焦点深度が深くなる

◎ 単純な近業作業(読書や編み物など)とVDT作業の違い

 ・近業作業 → ほぼ同じ距離で、同等のピント調節を続ける

過剰な近見反応の反復

・VDT作業 → 画面、キーボード、書類といった異なった距離の目的物に視線を動かす
              → 過剰な近見反応が反復される

過剰な近見反応の反復

2.ドライアイ

◎ まばたきの減少

               まばたきの回数
正常時        平均 20 回/分
VDT作業時  平均 6 回/分

画面に集中すると 1/3〜1/4に減少!!

涙の分泌量 ↓ 目の表面の露出時間↑  ⇒  涙の蒸発量 ↑

◎ 視線の位置と涙の蒸発量

 

作業をするディスプレイの高さによって、目の乾きも影響されます。
ディスプレイは低い位置のほうが乾きにくいことが分かっています。

VDT症候群の対策

対策1.作業距離に合わせた自分の目に合った適切な度数のメガネやコンタクトレンズを使用する

40歳を過ぎるといわゆる老眼(→ 詳細は「老眼」ページ)が進行するため、パソコンなどにピントが合いづらくなります。また、普段かけるような遠方に合わせた眼鏡のままVDT作業をすると、ピントが合いづらいため、眼精疲労になりやすくなります。 そのため、ディスプレイの距離(約50-80cm)に合わせた眼鏡やコンタクトレンズを使用することが重要で、適切な屈折矯正によって無理な調節を行わなくて済むようになり、疲れにくくなります。

対策1.作業距離に合わせた自分の目に合った適切な度数のメガネやコンタクトレンズを使用する

対策2.VDT作業条件の改善

長時間のVDT作業は過剰な近見反応の反復を引き起こし、症状が出やすくなります。そのため、「長時間のVDT作業を避ける」ことが重要です。

1連続した作業時間が1時間を超えない

2作業時間内に1−2回程度の小休止をする

3作業時間内に1−2回程度の小休止をする

対策3.VDT作業の環境の改善

作業環境は非常に重要です。作業環境を適したものに改善することで、VDT作業による目への負担は大きく減らすことができます。

1奥行きのあるデスク、机に合った椅子の形と高さ

適切な姿勢を保つことが全身への負担軽減にも繋 がります。

2温度や湿度の調整

適度な温度・湿度管理が重要で、ドライアイ防止に繋がります。加湿器を置くことも良いです。また、エアコンの風が直接目に当たらないように調整することも必要です。

3ディスプレイの位置・距離・照度の調整

→ 画面は見下ろす下目線になるように配置します。目と画面との距離は50-80cm程度離すようにします。照度(明るさ)は明るすぎても、暗すぎても目に負担がかかります。画面上における照度は500ルクス以下、書類やキーボード周辺の照度は300ルクス以上とし、画面の明るさと書類・キーボード面の明るさ、そして作業場所の明るさの差はなるべく小さくすることが重要です。また、画面への光の映り込みが少なくなるように角度や位置の調整を行い、反射防止フィルターを貼ることで画面のちらつきを抑えることも対策の 一つです。

対策4.ドライアイのケア

ドライアイはVDT症候群と深く関連しているため、ドライアイを予防することが重要です。まばたきが減らないように、意識してまばたきをすること、ディスプレイの高さの調整(目線が下向きになるように)、湿度管理、ドライアイや眼精疲労用の点眼薬の使用なども良いでしょう。 また、温罨(おんあん)法といって、目を温めることもドライアイの改善に有効です。ただし、温めた濡れタオルを使用する場合、冷えてくると逆効果になることがあるため、市販されているホットアイマスクなどを利用することがおすすめです。 その他、ドライアイについての詳細は「ドライアイ」のページをご覧ください。