症状(二重に見える)

「二重に見える」

ものが二重に見えることを「複視」と呼びます。様々な原因が考えられますが、その診断に必要な情報としては、①片眼でも二重に見えるのか、両眼でのみ二重に見えるのか、②二重に見える方向(上下、左右など)、③持続性なのか、それとも時々なのか、などが重要です。

考えられる主な病気

< 片眼での複視 >

1白内障・・・ 白内障の場合、目の中の濁りによって光が散乱し、ものがぼやけて二重に見えることがあります。(→ 「白内障」のページ

2乱視 ・・・ 乱視が強い場合、二重に見えてしまいます。 また、眼鏡でも矯正できない不正乱視というものもあります。(→ 「近視・遠視・乱視」のページ

3角膜形状の異常 ・・・ 黒目の表面(角膜)にゆがみや濁りがあると、複視をきたします。代表例として、角膜が突出してくる円錐角膜という病気があります。

< 両眼での複視 >

1斜視・・・ 内斜視や外斜視といった目の位置の異常があると、両眼で見たときに複視をきたします。幼少時からの斜視では複視を感じにくく、特に成人になってからの斜視で自覚しやすいです。(→ 「斜視・弱視」のページ

2脳神経麻痺 ・・・ 目の動きを司っている脳神経(動眼神経、外転神経、滑車神経)の異常があると、目の動きが悪くなり、複視を生じることがあります。

3重症筋無力症・・・ 全身の筋肉がうまく動かなくなる病気で、目の動きも制限されることがあります。

4甲状腺眼症 ・・・ 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)では、甲状腺に対する自己抗体が眼球周囲の脂肪や筋肉も攻撃してしまうことで炎症を引き起こし、腫れることがあります。その場合、眼球が前に突出してきてしまい、重症になると、眼球運動も制限されるようになるため、複視を感じるようになります。