症状(一部が欠けて見えない)

「一部が欠けて見えない」

人が見えている範囲のことを「視野」と呼びます。そして、人は網膜、視神経、脳を通してモノを見ています。そのため、そのいずれかに異常が出た場合、視野の一部が見えなくなることがあります。視野検査を行うことで、欠けてしまった部分を調べることで診断できることもあります。

考えられる主な病気

1網膜剥離・・・ 放置すると失明する緊急疾患です。剥がれる場所によって見えなくなる範囲は異なります。(→ 「網膜裂孔・網膜剥離」のページ

2黄斑円孔・・・ 視力に最も大切な黄斑という部分に穴があく病気で、中心が欠けて見えなくなります。(→ 「黄斑円孔」のページ

3黄斑浮腫 ・・・ 黄斑が腫れてしまい、中心がぼけて見えなくなる状態です。糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症などで見られます。(→ 「糖尿病網膜症」「網膜静脈閉塞症」のページ

4加齢黄斑変性 ・・・ 黄斑部に新生血管ができる病気です。中心が欠けて見えづらくなります。(→ 「加齢黄斑変性」のページ

5中心性漿液性網脈絡膜症・・・ 黄斑に水が貯まる病気で、中心が見えづらくなります。喫煙している中年男性に多いと言われています。

6網膜動脈閉塞症・・・ 網膜に栄養を送る動脈という血管が詰まってしまう病気です。突然見えなくなり、数時間で失明に近くなってしまうため、早急な治療が必要な緊急疾患の一つです。

7網膜色素変性 ・・・ 難病指定されている病気で、周辺から徐々に見えづらくなります。夜見えづらくなる「夜盲」が特徴です。

8緑内障・・・ 日本での失明原因第一位の病気で、70歳以上の10人に1人が発症します。初期は無症状で、気付いた際には末期で欠けた視野は元に戻らないため、定期検診が必要です。(→ 「緑内障」のページ

9視神経炎・視神経症 ・・・ 視神経に炎症が起きたり、視神経に栄養を送る血管が詰まってしまったりすると、視野が欠けてしまうことがあります。急激に視力が落ち、進行していく場合は早急な検査と治療が必要です。

10 脳の病気 ・・・ 脳の病気によっては視野に影響が出る場合があります。脳出血や脳梗塞、脳腫瘍などが原因となりえます。例えば、下垂体腫瘍という病気では、両眼の視神経が交わる部分(視交叉)を圧迫することがあり、それによって両眼の外側が半分見えなくなる(両耳側半盲)ことがあります。